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相続財産調査を自分でする場合と専門家への依頼を徹底解説2026.02.04

相続財産調査を自分でする場合と専門家への依頼を徹底解説

はじめに

相続が発生したとき「相続財産調査」は、遺産分割の話し合いを進める上でも、相続税申告が必要かどうかを判断する上でも、欠かすことができない作業です。

また、相続財産には預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借入金や保証債務といったマイナスの財産も含まれます。調査が不十分だと、後から負債が見つかって相続放棄の検討が遅れたり、申告漏れや手続きの遅延につながったりする虞もあるのです。

そこで本記事では、相続財産調査を自分で進める方法と注意点を整理した上で、専門家に依頼したほうがよいケースについて詳しく解説します。

相続財産調査とは?自分で行う前に知っておきたい知識

相続財産調査とは、簡単に言えば亡くなった方(被相続人)が「どんな財産を持っていたか」「どんな債務を負っていたか」を洗い出す作業です。

相続財産の把握は、遺産分割や相続税申告、相続放棄の判断など、様々な手続きの前提になるため、ここが曖昧だと後でつまずき易くなります。相続財産の全体を把握するためにも、まずは必要になる理由と、どこまでが調査対象になるかを押さえておきましょう。

相続財産調査が必要になる理由

財産調査が必要になるのは、主に以下の3つの場面です。

・遺産分割協議を進めるため

遺産分割協議(誰が何を相続するかの話し合い)は、財産が出そろっていない状態で分け方を決めてしまうと、後から新たな財産や負債が見つかり、協議をやり直す原因になります。

・相続税申告の有無を判断するため

相続税の申告が必要かどうかの判断や、申告書を作るためにも財産調査は欠かせません。相続税は財産の評価額をもとに計算するため、預貯金や不動産、有価証券などを漏れなく把握し、残高証明書や評価資料で数字として確定させなければなりません。

・借入金などのマイナス財産を引き継がないため

相続では預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、借入金や保証債務などマイナスの財産も引き継ぐ対象です。詳しくは後述しますが、負債が多い場合は早めに相続財産を把握しないと、相続放棄や限定承認の期限内に手続きを終えられない危険があります。

調査対象となる財産の範囲

プラスの財産には、現金・預貯金、株式や投資信託などの有価証券、不動産(土地・建物)、自動車、事業用資産のほか、貸付金や未収金など「お金を受け取る権利」も含まれます。

一方、マイナスの財産には、住宅ローンやカードローンなどの借入金、未払いの税金や医療費・入院費、未払金のほか、見落としやすいものとして保証債務(連帯保証人としての責任など)も挙げられます。負債や保証が後から判明すると、想定外の支払いが発生するなどのトラブルにつながるため、最初から「負債も必ず調べる」前提で進めましょう。

いつまでにやる?相続財産調査に関係する3つの期限

相続財産調査は、「落ち着いてからやればいい作業」ではなく、手続き上の期限から逆算して進めなければなりません。特に、負債の有無がはっきりしないまま時間が経つと、相続放棄や限定承認の判断が遅れて、多額の借入金を背負うリスクがあります。

相続放棄と限定承認の期限

相続開始後、相続人が選べる対応は大きく分けて以下の3つです。

・単純承認(プラス財産もマイナス財産もすべて引き継ぐ)

・相続放棄(一切の財産を引き継がない)

・限定承認(プラス財産の範囲内でマイナス財産を引き継ぐ)

相続放棄と限定承認は、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」に家庭裁判所で手続きを行わなければなりません。期間内に相続財産の調査をしても判断がつかない場合は、期間を伸長できることがありますが、必ず認められるわけではないため、早めに財産調査に着手することが大切です。

相続税申告の期限

相続税の申告・納付が必要な場合、期限は原則として「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内」です。期限に間に合わないと、延滞税や加算税がかかる場合があるため注意が必要です。

相続税申告が必要かどうかの判断自体にも、財産の把握(預貯金・不動産・有価証券・保険金など)と評価が欠かせません。10か月は長いようですが、併せて戸籍収集や名義変更、遺産分割なども並行するため、財産調査は早めに着手することを意識しましょう。

不動産がある場合の相続登記の期限

不動産が相続財産に含まれる場合は、相続登記の期限にも注意が必要です。

相続登記は2024年4月1日から申請が義務化されており、原則として「相続(遺贈)で不動産を取得したことを知った日から3年以内」に申請しなければなりません。正当な理由なく申請を怠った場合、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。

相続財産調査を自分で進める方法と失敗例

相続財産調査は、やみくもに探すよりも一定の手順に則って進めると、漏れや認識違いを防ぎやすくなります。ここでは、預貯金や不動産のようなプラスの財産だけでなく、借入金・未払い金・保証債務などのマイナス財産も含めて全体像を把握する方法をご紹介します。

まずは「手がかり→財産目録→裏取り」の順で整理する

最初にやるべきことは、「財産の手がかり」を集めることです。例えば、郵便物、通帳・キャッシュカード、スマホの銀行アプリや証券アプリ、確定申告書や源泉徴収票、保険証券などを見て、「どこに何がありそうか」を洗い出します。

次に、見つかった情報は、すべて財産目録としてまとめておきましょう。財産目録は、遺産分割の話し合いにも、相続税申告の要否判断にも共通して使うことになります。具体的には、金融機関名・支店・口座種別、証券会社名、保険会社名、不動産の所在地や地番、借入先や契約番号など、「第三者が見てもわかるように」記載するのがコツです。

最後に、裏取りで財産の所在を確定させます。預貯金なら残高証明書・取引履歴、不動産なら登記事項証明書や固定資産評価関係の資料、借入金なら契約書・請求書・残高が分かる資料などを集め、実際の金額と内容を固めていきましょう。

財産の種類別に確認すべき場所とやるべきこと一覧

ここでは、財産の種類別に確認すべき場所とやるべきことをまとめました。以下の表を参考にしながら、財産調査を進めてみてください。

財産の種類確認すべき場所やるべきこと
金融資産(預貯金・証券・ネット口座など)郵便物・スマホのアプリ・SMS・メールなど金融機関を特定し、残高証明書等で金額を確認・不明なら開示請求も検討する
不動産(土地・建物)固定資産税の納付書・課税明細/名寄帳など法務局で登記事項証明書を取得、名義・共有を確認し、評価資料をそろえる
保険・退職金など保険会社の通知・引落履歴・勤務先の案内など会社・保険を特定し、必要に応じて照会をかけて金額・内容を確認する
借入金・保証債務契約書・請求書・督促書・通帳の引落など借入・保証の有無を確認後、残高照会などで金額を確認する

自力調査でよくある失敗例

自分で調査する場合に多い失敗は、「中途半端で終わらせてしまう」ことです。後から別の口座や不動産の存在が判明すると、遺産分割のやり直しになったり、不要だと思っていた相続税の申告が必要になったりと、不利益を被るおそれがあります。

また、マイナスの財産の調査が甘く、相続放棄や限定承認を検討すべき状況だったのに期限が過ぎてしまうケースもよく起こりやすい失敗例です。相続関連の手続きは期限が設けられているため、時間に追われることも多くあります。手がかり収集の段階から優先順位をつけ、「不明な部分を残したまま次に進まない」ことが大切です。

相続財産調査を専門家に依頼したほうがよいケース5選

相続財産調査は自分で進めることもできますが、事情次第では専門家に依頼したほうがよいケースもあります。特に相続では、どうしても各手続きの期限を意識しなければならないため、早めに専門家を入れたほうが安全です。

相続税の申告が必要になりそうなとき

相続税の申告が必要になりそうな場合は、税理士への依頼を検討する価値が高いです。相続税の申告期限は、原則として「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内」で、期限を過ぎると加算税や延滞税がかかることがあります。

相続税の要否判断には、財産の全体像だけでなく「評価」を伴うため、財産調査の段階から税理士が関与した方が、漏れの防止と作業の二度手間を避け易くなります。

不動産が複数ある・共有がある・評価が難しいとき

不動産が複数ある、遠方に点在している、共有名義になっている、評価が難しいといったケースは、自力調査では時間がかかりやすい典型例です。

この場合、税理士だけでなく、登記手続きは司法書士、揉めそうな要素があれば弁護士というように、状況に応じて相談する専門家を選択できるとスムーズです。

③借入金や保証債務の有無がはっきりしないとき

負債が疑われるときは、財産調査の優先度が一気に上がります。相続放棄や限定承認は、家庭裁判所で手続きする必要があり、判断が遅れると選択肢が狭まりかねません。

また、限定承認は相続人全員が共同して行う必要があるため、手続き面でもハードルが上がります。負債の可能性があるときほど、早い段階で専門家に相談して「調査の範囲」と「期限から逆算した段取り」を固めることを心掛けましょう。

相続人が多いなど関係が複雑で揉めそうなとき

相続人が多い、疎遠な親族がいる、再婚家庭で利害が分かれやすい、不動産を誰が引き継ぐかで揉めそうなどのケースでは、調査そのものが進まないことがあります。

すでに争われているケースは弁護士の領域になりますが、税理士事務所でも税務面を起点に、必要に応じて他士業と連携して進めることが可能です。

⑤期限が迫っていて調査・書類収集が間に合わないとき

手がかりはあるが、照会や書類収集に時間がかかるなどの理由から期限が迫っているなら、専門家への切り替えを優先したほうが結果的に早く進みます。

専門家が介入することで、相続財産調査をより円滑に行えるだけでなく、必要書類の収集・作成も支援してもらえます。期限が迫って焦っている方は、専門家の介入を検討すべきころ合いです。

相続財産調査の遅れで損しない為に期限から逆算を意識しましょう

相続財産調査は、財産の全体が見えないまま時間が過ぎると、相続放棄の判断が間に合わなかったり、申告や登記が遅れて余計な負担が生じたりする虞があります。

だからこそ、相続財産調査は「見つかった分だけ調べる」のではなく、期限から逆算して優先順位をつけ、プラス財産とマイナス財産を含めて漏れなく整理することが大切です。特に、借入金や保証債務の有無が不明な場合、相続税の申告が必要になりそうな場合などは、自力で抱え込むほど、手戻りや期限遅れの危険が高まります。

大分市周辺で相続財産調査や相続税申告について不安がある方は、早めに当事務所にご相談ください。現状の資料や分かっている情報をもとに、期限に間に合う形でサポートさせていただきます。相続は期限との戦いになりやすい手続きです。迷った時点で一度ご相談いただければ、無理のない進め方をご提案させていただきます。

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    この記事の監修
    佐藤純也税理士事務所 / 所長
    佐藤純也

    ・法政大学卒業
    ・2014年大分市にて独立開業

    保有資格
    -税理士(南九州税理士会大分支部 登録番号91282)
    -簿記検定1級(日本商工会議所主催)
    -Certified Risk Manager(RM協会)
    -General Chief Finance Officer(日本CFO協会)
    -Affiliated Financial Planner(日本FP協会)
    -2級FP技能士(厚生労働省)
    -認定経営革新等支援機関(九州財務局・九州経済産業局)
    -M&Aシニアエキスパート(金融財政事情研究会)

    所属団体
    -南九州税理士会大分支部
    -TKC全国会

    私の使命は税務の専門家としてお客様に寄り添い真摯に対応しお客様に喜んで貰うという事です。
    お客様の分からない!に対し全てお応えする「任せて安心!」をモットーに日々従事しております。



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